硫酸技術   by T.Ono
 良くある質問(FAQ)−4
 
乾燥塔吸収塔・酸クーラー・酸の取り扱い:
  • 運転開始後数年で吸収塔本体マンホール溶接部から酸漏れがありました。 原因と修理方法?
    塔がSS+耐酸煉瓦の場合、長期間(25年以上)の後ケーシングが腐食により薄くなります。 数年ですと、製作時の溶接に問題があったと推察されます。
    マンホールの内張り煉瓦は胴部などより薄いはずですが、それにしても早すぎます。
    応急処置としては運転を停止して内圧を下げ、漏れた部分を削って腐食の程度を確認後、空洞があれば耐酸モルタルを充填した後パチ当てします。
    抜本的修理は、定期修理時に当該漏れ箇所の煉瓦を撤去し、マンホール鋼板内側を目視点検して腐食程度を確認してください。 溶接部のみであればその部分を溶接補修した後平らに仕上げ、再度煉瓦を張りなおします。
    全面腐食していれば、テフロンシートを張り付け後耐酸煉瓦を内張りします。 腐食量が大なるときは、マンホール全体の更新も検討してください。
  • 発煙硫酸製造用吸収塔の更新を計画しています。 材質は何が最適ですか?
    塔本体は炭素鋼又はSUS304で十分です。 耐酸煉瓦のライニングは不要です。
    テフロンライニングは、SO3がテフロンを浸透する為使用不可です。
    ZeCorは激しく腐食されるようで、これも使用不可のようです。
    「各種硫酸製造方法」の「発煙硫酸」をご参照ください。
  • 増強に伴い、プレートクーラーの増枚を計画しています。 注意事項?
    メーカーでは、増枚時のプレート価格を大変高く設定しており、20枚程度増枚すると、全体を新しく買った方が安くなったりします。 又、増枚しない既設のプレートも、改造時にガスケットは全量更新になりますが、この価格も大変高くなります。 ご注意ください。
  • 冷却水に海水を使用するときの注意事項を教えてください。
    1)クーラーは海水中の塩素イオンに耐食性のあるものを選ぶこと。
    2)海水中の貝類による閉塞を防ぐため、塩素殺菌を実施すること。
    3)適切なフィルターを設けて大きなゴミ、クラゲ等を防ぐこと。
    4)放出水の水温などの規制について調査しておくこと。
  • SS+鉛ホモゲン+耐酸煉瓦の硫酸地下貯槽の更新を計画しています。 材質はこれでいいですか?
    それでもかまいませんが、近年はSSと耐酸煉瓦の間にテフロンを挟むことにより寿命を延ばしています。
  • 上記の工事業者を紹介してください。
    岩尾磁器工業(株)が経験、実績共によろしいでしょう。
  • 硫酸を送る配管の最大流速は?
    硫酸による腐食は、硫酸の温度、濃度、不純物量等の要素で大きく異なり、一概に述べることはできません。 それ故配管の材質毎の最適最大流速は、経験的に決めております。 ノウハウに属する内容とご理解ください。
  • 吸収塔を「炭素鋼+テフロンライニング」で作ろうと思うのですが?
    おやめになった方がよろしいです。 テフロンは、耐食的には万能のように思えますが、SO3を透過させるという欠点がありますので、ガス中のSO3が透過して炭素鋼に達し、腐食問題を起こす懸念が有ります。 又、ガス温度は180〜230℃のはずですが、これはテフロンの使用可能温度の上限ギリギリです。
  • 客先の濃度規格が厳しいので、製品硫酸タンクでのポンプ循環で製品硫酸を混合、濃度を平均化したいのですが?
    濃硫酸は粘度が高いため、タンク内での循環で混合するのは困難です。 特に今回のように濃度差が小さいと、ずいぶん長時間循環しても交じらないことも考えられます。
    短時間で十分な混合を達成するためには、機械的撹拌(タンク側面に、キャンドタイプの攪拌機を付ける)か、空気撹拌(タンク底に、多孔管を設けて、空気を吹き込む)に依るのがよろしいと思います。 但し、空気撹拌は長時間実施しますと空気中の水分で濃度低下を起こしますので注意してください。 ただ、そんなに大量を吹き込む前に混合は達成できると思います。
  • SO3は室温でもテフロンを浸透しますか?
    70℃程度で浸透している例が有りますが、室温での使用経験が有りません。 温度の低下により浸透速度は下がるはずですが、幾らかはあると考えた方がよろしいです。
  • 発煙硫酸やSO3にテフロンを使用した場合、劣化しますか?
    やむを得ずテフロンを使用している例の場合、長期間使用していると変色や硬化が見られます。 定期的に更新することを前提にされたらいかがでしょうか。
  • 古い硫酸タンクを掃除したいのですが、底に溜まったベトの処分方法を教えてください。
    取り出し→中和→廃棄ですが、公害問題の生じない場所に、不浸透の場所を作り、タンカル等で中和したのち砂などと混ぜて廃棄します。 廃棄場所については、信用のおける専門業者に依頼しましょう。 又、作業中の薬傷に十分注意してください。
    完全に掃除するには、ベトを取り出し後水洗する必要がありますが、排水処理設備の無いところでは洗浄廃水も廃棄物処理業者に頼む必要があり、コストがかかります。
    このようなところでは、ベトのみの処理としますが、洗浄後の酸の受け入れ時には酸が濁りますので、しばらく静置して沈殿が沈殿した後に払い出すようにします。
  • 貯酸タンクの98%硫酸が冬に凍結してしまいました。  95%にしたいのですがどうしたらいいですか? 90%硫酸は手に入ります。
    まず、95%硫酸を作るために、水を入れるのは絶対にやめましょう。 多量の硫酸中に少量の水を入れるのは、混合時の急激な発熱により突沸の危険があります。 蒸気の圧力でタンクが壊れる可能性もあります。
    時間がかかりますが、タンクの外から蒸気などで加熱して溶かすしかないでしょう。
    90%硫酸を混ぜるのも、混合熱は大したことにならない(〜5℃くらいの上昇)ので良い方法でしょう。 ただ、静止状態の硫酸は中々混合しません。 外部化熱で溶かしてから、ポンプで循環するとか考えてください。
  • 貯酸タンクの建設を計画中です。 防液堤はコンクリートだけでいいでしょうか?
    貯酸タンク用の防液堤は、通常コンクリートの打ちっぱなしです。 硫酸が漏れますと、コンクリートはアルカリ性なので溶け、段々と砂利がむき出しになってきます。 それ故、定期的に補修することが必要です。
    耐食性のライニングを施工する例もありますが、ひび割れがありますとコンクリートの腐食量が分かりにくくなりますので、あまりお勧めしません。
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