硫酸技術   by T.Ono
 プラント建設体験-10
 
Flowers of Cannon Ball Tree, Singapore
13.シンガポール 
これは、プラント建設経験ではありません。
客先からの「技術顧問」の派遣要請に応じて、会社からの命令で3年間駐在していたものです。
客先の工場ではポリエチレン製のレジバッグやゴミ袋を生産しており、製品はヨーロッパに輸出していました。 その、品質管理のと設備の運転管理の為に、というのが派遣理由でした。
妻ともども3年間赴任していました。 まだ子供がいませんでしたので、2度目の新婚旅行みたいな気分でした。

シンガポールは、今でこそ一人あたりの所得は日本を超えて、「小さな先進国」となっていますが、私の赴任していた1981年ごろは、まだ発展途上国でした。
それでも、リー・クアンユー首相の下、迷いのない「開発独裁政策」を強力に推進していて、町も政治も大変にクリーンな、東南アジアとは思えない国でした。
淡路島と同じ面積の小さな国ですが、庶民の住居は徹底して高層化を進め、いたるところに緑の木と花を植えて「ガーデンシティ」とし、規制緩和で金融業を誘致し、海を埋め立ててそこに世界有数の石油化学コンビナートを建設し・・・と、「貧しいから民族紛争が起こる。 皆が豊かになれば、争いは無くなる」という割り切りで、国を運営していました。

町に出れば、安くておいしい屋台の店が並んでいますし、美味しい熱帯の果物だけでなく、世界中の食料が輸入されていて手に入ります。 30年前でしたが、既に国中に銀行ATMが普及していました。

帰国後も、仕事やプライベートで何度か訪れましたが、いつ行っても、その急速な発展に驚かされ続けました。
一番最近は、一昨年12月ですが、ホテルをはじめとする物価が大変高くなっていることに驚きました。 生活レベルが上がれば、仕方がないことですね。
それと、高齢化が進んでいることが気になりました。
昔、レストラン、スーパーには可愛くて元気な御嬢さんたちが黄色い声を張り上げていたものですが、同じ店で笑顔を見せてくれるのは、私の年齢に近いオバ(ア)サン達です。 昔から、強力に一人っ子政策を進めていてせいでしょうか、高学歴で結婚・出産を控える傾向からでしょうか、国中に子供よりお年寄りが溢れています。
これでもこの国は、今でも世界中から高度の頭脳を持った人々を高額で招き、高くなった生活レベルを維持できる収入源を探し続けています。

シンガポールを見るたびに、日本と比較してため息が出ます。 国の規模なのか、指導者の資質なのか。

「海外に出ると、日本のことがよく分かる」と言います。 私に、この言葉を最初に実感させてくれたのがシンガポールでした。
14.ヒューストン
親会社がテキサス州ヒューストンに持っている工場の増強計画に関して出張しました。
正直申しまして、アメリカ本土での仕事は初めてでした。 というか、今までの相手は皆発展途上国でしたので、アメリカのことが色々と勉強できるだろうと期待していきました。
結果: すごく面白かったですし勉強になりました。

1.アメリカは広い。 土地が安そうで羨ましい。
 相手の現地人工場長から、週末のハンティングに誘われて同行しました。
町を離れてルート59を延々と走ります。 道路はきれいに舗装されたハイウェイですが、両脇はPlairie、灌木がまばらに生えた乾燥地帯です。 所々に石油を掘っている俗称”Donkey"が、ピョッコン、ピョッコンと上下運動を繰り返しています。
5時間ばかりも走って着いたところは、工場長と友人が所有しているというBushです。 敷地面積は800エーカーだと。 100万坪! なんのために? 年に数回、ハンティングに来る為に動物の生息地を確保しているんだとか。
入口の柵を入って何百mか走ったところにトレーラーハウスが有りました。 そして、ちゃんと外から電線が引いてあって、中の冷蔵庫やエアコンが動くようになっているのです。 どこに電柱が有ったのかな? 水は、大きな貯水タンクを持っていて、これをトラックに積んで近くの町まで持ってゆき、水を買ってくるのだとか。
それにしても木陰は乾燥してとても気持ちが良かったです。

2.銃規制は不可能。
 散弾銃の打ち方を教わりましたが、全然クレーの的に当たりません。 工場長はは良く当たりますので、「何歳から射撃の練習を?」と聞きましたら「7歳から」という答え。 銃の取り扱いは、日本人で言えば釣竿みたいなものだとか。 「規制なんてとんでもない」、うん、気持ちは分かります。

3.デブチンだらけ。
 アメリカ人って、ものすごいデブだらけです。 半分は「超肥満」、残りの半分の内またその半分は「普通の肥満」です。 とにかく、昼食に付き合うと、食べる肉の量やらハンバーガーの大きさが半端ではありません。 しかも食後にバケツみたいな容器に入ったアイスクリームをペロリ。 アメリカ人は、テロより麻薬より、「食べ過ぎ」で滅びるんじゃないかと真剣に思いました。

4.ビジネスは「定価」ベース。
 これも驚きましたが、見積を取ると「定価表」を送ってきます。 値引きしてくれないかというと、これで買ってくれないなら結構ですと。 日本みたいに、相手の顔色をうかがいながら値段を言うより、明朗でいいですね。

5.食べ物は・・・
 1週間ほどいましたが、「うまいなあ」という食べ物にはお目にかかりませんでした。 やはり私には、東南アジアが向いているようです。

ホーム
概論
製造プロセス
設備新設
増強・改造
機器更新
メンテナンス
運転
各種硫酸製造法
耐食材料
物性データ
計算
安全
トラブル事例

プラント建設体験 関連技術
資料
ご質問・お引合い
良くある質問(FAQ)
リンク

ちょっと一言
  関連サイト: パーツトレード
 プロフィール  サイトマップ  プライバシーポリシー  更新履歴
 リンクフリーです。 内容の転載につきましてはご一報ください。  All rights reserved to Tsunetomi Ono.