硫酸技術   by T.Ono
 耐食材料-6
有機材料

 テフロン
テフロンとは 元来、1938年に米デュポン社が開発したPTFEのことです。

PTFE=ポリテトラフルオロエチレン (-CF2-CF2-)n

これは高い耐薬品性、耐熱性を有し、かつ摩擦係数が小さいなど優れた性質も持っていますが、加工性が悪いためこれを改善する目的でFの一部を水素、塩素、他のオレフィンに置換させたものが開発されました。 これらを総称して「フッ素樹脂」と呼んでいます。

FEP=テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体
   (-CF2-CF2-)n-(-CF2-C2F4-)m
ETFE=テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体 (-CF2-CF2-)n-(-CH2-CH2-)m
PFA=テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
   (-CF2-CF2-)n-(-CF2-CF2OCF3-)m
PVDF=ポリビニリデンフルオライド (-CF2-CH2-)n


デュポン社では、「テフロン」とはPTFE、PFA、FEPを言い、その他のフッ素樹脂はそれぞれ異なった名称をつけていますが、日本では皆「テフロン」と呼びならわしています。

濃硫酸用としてはすべての有機物質中最適といえ、金属と違い時間とともに腐食されることがなく、成分の溶解により硫酸を汚染することもなく、理想的な材質です。
ただし、PTFE及びPFA以外は耐熱性に難があり、かつSO3を透過するため発煙硫酸には使用できません。
多くは金属内面のライニング材として、配管、弁、ベッセルなどに使用されています。
弁のライニング材として、ニチアス(株) はPFAを、日本バルカー工業(株)はPTFE及びPFAを使用しています。
又、細いチューブとして酸クーラーに利用されています。
ガスケットとして使用されるときは、そのままでも使用されますが、可撓性を増すためにゴムなどのクッション材を挟んだり、コールドフローを避けるために無機質のフィラーを混ぜたりすることもあります。
乾燥塔、吸収塔、及びそれら用のポンプタンクなど、耐酸煉瓦を内張りする塔槽類において、煉瓦と鋼製シェルの間にシートを挟んで(シートライニング)シェルに直接硫酸が触れることによる腐食を防止することが行われています。 ただ、テフロンは鋼にも煉瓦にも接着しませんので、表面を処理したり接着剤を使用したりして貼り付けます。

製品を汚染しない特性から、精製硫酸、高純度硫酸用に多く用いられています。

代表的なテフロン類の性質を以下に示します。

 項目 単位  PTFE  FEP  ETFE  PFA  PVDF 
 比重   2.14~2.20 2.12~2.17 1.70~1.76 2.12~2.17 1.75~1.78
 融点  ℃  327  253~282  270  302~310  170
 引張強さ  MPa  13.7~34.3 18.6~21.6  44.6 27.4~29.4  9.8~29.4
 伸び  %  200~400  250~330  100~400  300  100~300
 動摩擦係数    0.10  0.30  0.40  0.20  0.40
 比熱  kJ/kg/K  1.04  1.17  1.93~1.97  1.04  1.38
 連続使用温度  ℃  260  200  150~180  260  150
 耐強酸   侵されない 侵されない 侵されない 侵されない 発煙硝酸X
 耐強アルカリ   侵されない 侵されない 侵されない 侵されない 侵されない
 耐有機溶剤   侵されない 侵されない 侵されない 侵されない 一部X
 バイトン:
バイトンは、テフロンと同じくデュポン社が開発したフッ素ゴムです。
テフロンに比べて、柔軟であり、弾力性に富む上に、濃硫酸を含む強酸、強アルカリに耐え、耐熱性に優れ(~250℃)、耐油性、耐溶剤性にも優れるというテフロンの性質も備えています。
構造的には、基本はポリフッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピレンを共重合させたものです。
(-CF2-CH2-)n-(-CF2-C2F4-)m
現在は、用途に応じてテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテルその他を共重合させたものがあります。

硫酸設備では、濃硫酸用プレートクーラーのガスケットとして一般的です。
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