硫酸技術   by T.Ono
 耐食材料-7
有機材料

 FRP
FRPは、Fiber Reinforced Plasticsの略です。
「繊維強化プラスチック」ということですので、多種多様の組み合わせが考えられますが、実用されているものとしては、

プラスチック=不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリメチルメタアクリレート
繊維=ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維(ケブラー)

などがあります。

金属に比べて軽く、耐食性に優れていてかつ強度もありますが、濃硫酸には炭化してしまい耐えることができません。
あくまで、希硫酸や湿SO2ガスの雰囲気で使用されるものです。 洗浄塔、ミストコットレルのケーシング、ガス精製系のガスダクトなどに使用されます。
硫酸設備に実用されているのは、

不飽和ポリエステル樹脂+ガラス繊維

の組み合わせです。
不飽和ポリエステルにも種類があり、イソフタル酸系、ビスフェノール系、ビニルエステル系があります。 後2者はイソフタル酸系に比べて耐食性に優れていますが、硫酸設備用としてはイソフタル酸系でも問題ないようです。

ガス精製系に使用する場合、ガス中にフッ素を含む条件では、ガラス繊維が腐食される危険がありますので、ガスに接する表面には繊維としてPPなどの合成樹脂や、炭素繊維を使用します。

メーカーとしては、大手では
昭和電工(株)
東洋ガス機工(株)
富士レジン工業(株)
などがありますが、樹脂とガラス繊維があればだれでも製作が可能なので、中小のメーカーが数限りなくあると言っても過言ではありません。
 PVC(ポリ塩化ビニル):
いわゆる「塩ビ」と称されて大量に使用されているものです。
FRPと同じく、濃硫酸には炭化されてしまい使用できません。 希硫酸用には使用が可能です。
ただし、紫外線により劣化し、割れやすいので屋外での配管などでは定期的に更新が必要になります。

補強の為、炭素鋼鋼管中にPVCを挿入したもの(LP管)や、PVC管の外側にFRPを巻いたものがあります。

PVCは、塩素を含むため、焼却時にダイオキシンを発生するとの懸念から、使用が減ってきているようです。
 PE(ポリエチレン)
これもプラスチックスとしては大量に使用されているものです。
HDPEとLDPEがありますが、HDPE(高密度ポリエチレン)製のタンクやパイプが硫酸設備に使用されています。
PEは、高温では濃硫酸に侵されますが、常温では実用的に問題ありません。
それ故、精製硫酸の貯蔵タンクや、製品硫酸の販売用の20Lポリタンクとして使用されています。
ポリエチレンタンクとしては、ダイライト(株)のものが有名です。

炭素鋼配管にPEをライニングしたものが、希硫酸に使用されています。 濃硫酸用でも、低温であれば使用可能と思います。
 PP(ポリプロピレン):
PEと並んで熱可塑性樹脂の代表ともいうべきPPも、配管材料として実用されており、PVC管の代替えとなっているようです。
これも希硫酸への使用は可能ですが、濃硫酸、特に高温には使用はできません。
耐食材料-8
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