硫酸技術   by T.Ono
ちょっと一言−11
 
2015年-2:
誰が悪い?('15/11/17)
マンションのくい打ちデータの流用問題で大騒ぎです。
門外漢ですが、それでも一応建設業だったので、下請けの多重構造については良く分かります。
勿論悪いのは、データをきちんと記録しておかなかった旭化成建材でしょうが、それにしても工事元請の三井住友建設の知らん顔には驚きました。
「きちんと仕事をしなかった下請けが悪い」と言い張っているようですし、社長が頭を下げたという話は聞きません。
しかし、工事がきちんと進むように全体を管理するのは、元請の責任でしょう? 当方は、元請も下請けもやったことが有りますので、三井住友の「知らん顔」には、「下手に責任を認めると、補償金が降りかかってくるから」という思考が見え見えのように思えます。
しかし、この「くい打ちのデータ」なんて、ちゃんと記録していたんですね。 知りませんでした。
基礎杭って、地盤の深さをボーリングで位置毎に確認し、それぞれの長さの杭を打つだけだと思っておりましたので。 それに、1本くらい基礎に届かなくても、他の多数の杭で支えるから、今回みたいな沈下は起こらないはず。 1本だけじゃなかったんですね。
しかし、ボーリング記録から決めた杭長さについては、元請が承認したはずです。 なぜボーリングデータがあるのに杭の長さが不足したのか? ボーリングデータが不完全だったのではないのか? 疑問はますます増えます。
しかも、旭化成建材だけでなく、他社でも同様の「データ流用」をしていたとは。 この記録って、それほど変なことなんでしょうか? 実行が大変なら、もっと「容易な方法」に替えるべきです。 多くに担当者が繰り返していたということは、語られない「本音」がどこかにありそうに思えます。
ここら辺の説明をきちんとしてくれないか? 技術屋として期待しているのですが。
デンマークのMs.と(’15/9/18)
昔からの取引先から頼まれ、急遽堺に参りました。 デンマーク人のエンジニアのアテンドと通訳です。
会ってみると、26歳、金髪の素敵な御嬢さん。 背も高いがとにかく足が長くて、工場内をすたすたと歩くのについていくのが大変でした。
日本は2回目、前回は今年の6月に来たのだとか。
「驚きました、日本のように科学技術の進んだ国で、英語のしゃべれない人がほとんどだということに」
いや、耳の痛い言葉です。
「日本人は、ある意味、幸せな民族なんです。 海に囲まれた孤島で、しかも技術が進んでいるから、学校の教科書は全部日本語であって、海外の図書をテキストにする必要が無い。 産業もあって、周りは皆同じ言葉をしゃべる同じ顔の人々なので、一生外国語をしゃべらなくても生きていけますから」
と答えました。
「なるほど、分かりました。 デンマークは小さな国ですから、周りの国々と付き合って行かなくては生きてゆけません。 だから、みな外国語、特に英語を学ぶことは必須です」
そういえば、オランダ人も英語、フランス語、ドイツ語など外国語に堪能な人が多いと聞きました。 ヨーロッパの小国同士、通じるものがあるんですね。
デンマークは、ご存知かもしれませんが、面積は九州よりちょっと大きいくらい、人口は5百60万人ほどしかいません。 それでもちゃんと工業も有って、高福祉の北欧型社会を作っています。
消費税は、25%とのこと。 「食料品の税率は違わないの?」と聞きますと、「ハイ、お酒と煙草は税率が高いです」と。 軽減税率は無いんですね。
25%の消費税は、ヨーロッパでは珍しくありません。 ドイツ、フランス、イギリスなど、みな同じような税率です。 降伏氏には高負担が必要だと、ちゃんと理解しているんですね。
難民問題では、彼女自身は「受入反対」とのこと。
「際限が有りません。 私どものように小さな国は、すぐに難民で一杯になってしまいます」と。
いや、いい経験でした。
それにしても、感心したのは、彼女の好奇心旺盛なこと。 日本のものなら何でも食べてみよう、見てみよう。 着いた日は日曜日、大阪の街を一人でぶらぶら、海遊館も見て、寿司屋で握りずしを食べたのだとか。
「言葉は?」 「大丈夫、写真のメニューがありましたから」
デンマークでも「寿司レストラン」は沢山あるそうですが、ほとんどが「巻きロール」、つまり材料を何でも巻き込んだ「巻きずし」か、「ボウルに入った寿司」なんだとか。 握り寿司はきちんとした修業が必要なので、誰でもできる「巻きロール」か「ボウル寿司」になっちゃうんですかね。
大阪名物串カツも、とろろ昆布入りすまし汁も「美味しい」とパクパク食べていました。 ああ、若さがまぶしいなあ。

ドイツ人気質('15/9/7)
国立歴史民俗博物館(歴博)の企画展、「日本とドイツ」を見てきました。 幕末から現代にいたる、日本とドイツの交流の歴史が、数々の資料で展示されています。
幕末、19世紀後半のドイツは、いくつもの王国・公国・司教領などに細分化されていて、それを軍事力で統一したのがプロイセンだったのですね。
不平等条約の改正や西洋の進んだ文明を取り入れる目的で外遊した岩倉具視を団長とする使節団がプロイセンを訪問した時の資料もありました。 当時の宰相ビスマルクが、世界各国の外交について、表面上は万国公法に従っているように見えても実質は「利が有ればこれを守るが、利が無ければ公法に替わって武力を用いるだろう」と率直に述べたのは有名ですね。
ヨーロッパの小国だったプロイセンを、徹底した富国強兵策でドイツ帝国にまで押し上げたビスマルクの言葉は、岩倉以下に深い感銘を与えたようです。 私はこの言葉を読んで、「ドイツ人って正直だなあ」と思いました。 同時に、「田舎者だからかなあ」とも。
仕事でドイツも訪問し、ドイツ人と交わりましたが、やっぱり「正直」かつ「田舎者」(良い意味で)という印象です。 食事は粗末だし、間違っているなと思うと、他人のことまで口を出すし。
働き者だし。
ところで、ギリシャ危機では、日本では「ロクに働かずに借金も返さない、ギリシャが悪い」という意見が多いと思いますが、ヨーロッパではギリシャに同情し、「ドイツ悪者」説が有力なんだとか。 (今朝の日経新聞)
ギリシャ危機でユーロが下がり、輸出で一番儲けているのはドイツだ、もしかドイツがマルクのままだったら、マルク高でとても現在の好況は得られなかったはず。 なのに、緊縮政策ばかり押し付けて、ギリシャを益々不況のスパイラルに落とし込んでいる・・・と。
確かにそうかもしれないけれど、それって、「怠け者の論理」だと思いませんか? とはいっても、働き者が煙たがられるのは日本でも一緒。 嫌ですけど。

ゆで蛙('15/5/20)
残念でした、大阪市の投票結果。
僅差で橋本市長の唱える「大阪都構想」が否定されました。
結果を聞いて真っ先に「やはり高齢化のせいかなあ」と。 事前の世論調査でも、若い世代は都構想に賛成、シニアほど反対だったんだそうです。 年寄りは、変化を嫌います。 変化に対する順応性が乏しくなっていますから。 でも、それでいいのか。
65歳以上を年寄りにして、平均寿命だとそれからまだ15年も生きないといけません。 そんなにも長期間、全く変化がないなんてありえません。 世界は「変化する」のが当たり前なのに。
私は、変化大好き、新しいもの大好きです。 若いころから常に「何か現在より良くならないか?」を日々の目標にしてきました。
反対した大阪市の市議団、自民・公明・民主・共産が共闘したのだとか。 反対理由は「移行には金がかかる」「住民サービスが落ちる」と言っていましたね。
しかし、以降にかかる金はイニシャルコスト。 府と市が一体化して、二重行政が解消されればコストは下がるのです。 つまりこちらはランニングコスト。 1万円のスマホで毎月2千円づつ通信費のかかるサービスと、2万円のスマホで毎月千円の通信費と。みなさんどちらを選びますか? イニシャルが安いからと1万円を選びますか?
「統一しなくでも二重行政は現在の枠組みで解消できる」との反対は言っていました。 じゃあ、やってくださいよ。 今まで長年にわたって完全出来なかったものが、いまさらできるのか?
多分、これから後は「できない理由を探す」という、政治屋お得意のサボタージュが始まるんでしょう。
世界は変化しているのに、自分は変わりたくない。 そういって今のぬるま湯につかっていて、湯の温度が上がっていくことに気が付かない。 勝手にゆだってくれ。 しかし、私を道連れにすることはやめてくれ、日本の老人達。
ねつ造('15/3/18)
東洋ゴム工業が、国の基準に満たない免震ゴムを販売していたとの報道を聞き、唖然としました。
直接の原因は、製品検査を担当していた社員(1名)が、検査結果で「不合格」の製品も、データを書きかえて「合格」にして出荷していたのだそうです。 「納期が厳しかったので」という言い訳は理解できません。
巨大ビルに使用されるものであり、不具合が有れば、大地震の際に大惨事につながる可能性がある、と想像しなかったのでしょうか?
多分、くだんの社員は、これらのゴムが大きな計算上の余裕を持って作られており、少々基準を下回っていても実際のトラブルは起こりようがない、と判断していたのでしょう。 多分、それは技術的には正しいです。
しかし、「基準を下回る製品を、検査成績書をねつ造して出荷していた」という事実が、会社に与える「信用の失墜」については想像しなかったのでしょうか?
一般国民は、自動車用タイヤなど、他の東洋ゴムの製品も「検査結果をねつ造しているのでは?」と考えるでしょうし、大手顧客は、そういうサプライヤーからの購入は控えるでしょう。
私も、似たような経験があります。
ある大手化学会社向けのプラントを納入した際、「低騒音」の電動機を購入しました。 メーカーは、これも有名大企業です。
納入・据付後に、ユーザーが試運転し、騒音を測定したところ、「指定を超えている」と当社宛てクレームが来ました。
メーカーの試験成績書には、ちゃんと騒音試験の結果が書かれており、そのような大きな音になるはずはありません。
メーカーに調査依頼したところ、なんと「低騒音の指定は受けておりません」と言います。
色々あって、最終的に判明しましたのは、メーカーの営業担当者が、製造部門に「低騒音」である旨の指定を伝え忘れていて、試験成績書が上がってきた時に自分のミスに気が付き、そのミスを隠す為に成績書の騒音値を書きかえて当方あて提出していたとのこと。
いやはや。 当の営業担当者は、解職になりました。
我々は、「大企業」というだけでつい信用しがちです。 しかし、どんな大企業でも、仕事をしているのは個人です。 ですから、会社名だけで信用してはいけません。
「この担当者は信用していいか?」
と、判断できる「眼力」を養いましょう。 「分からぬ時は性悪説」、これも必要な心がけです。
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