硫酸技術   by T.Ono
ちょっと一言−3
 
2012年-3:
井戸の中('12/7/5)
ドイツのOutotec社を訪問しました。
最新の硫酸技術に関するプレゼンを受けて、目の開かれる思いでした。
相手は現在も次々と世界中にプラント建設している現役。 もう一方の雄、MECS社とのし烈な受注争いに勝つために、現在もR&Dを継続しているようです。
当方も、一応日本での硫酸技術の現状は知っているつもりでしたが、世界はずっと前を走っているらしい、と気づかされました。
プレゼンをやってくれた私と同年配のベテラン技術者に、「Outotecの優位性は?」と聞きますと、「なんといっても、多数の建設実績」だとの返答でした。
1964年以来、165のプラントを建設しているそうです。
「それだけ多く作れば、それだけ失敗の数も増える。 しかし、技術は失敗から進歩する。 だから、我々はどこの誰よりも進歩しているはず」とも。
いやはや。
5月の中国に感心し、今回はドイツに驚きました。
新規大規模工事の無い日本、広い海を泳いでいるつもりで、いつの間にか井戸の中に閉じ込められて。 カエルも、謙虚に勉強を続けていかないといけませんね。
(今回得た情報は、おいおいご紹介してゆきます)

呉下の阿蒙(’12/5/25)
先週、10年ぶりに中国を訪問しました。 個人事業の一環で、中国の硫酸工場と、それを設計した会社を訪れました。 硫酸工場を見るのは17年ぶりです。
驚きましたのは、社会も設備も、その発展ぶり。
空港、高速道路、ホテルなどのインフラが整備され、会社の建物も内部も皆新しく、先進国に比べてそん色ないのです。 (ソフトはいまいちでしたが)

硫酸工場も、昔は設備のあちらこちらから水、蒸気、SO2ガスが漏れ、時には硫酸がにじんでいたりして、しょっちゅう修理するものですから工場のいたるところに人が群れていました。
それが現在は、場内に人影はなく、まことにきれいになっています。 制御室にも、DCSのディスプレイ4面だけが並んだ机の前に、オペレーターが設備ごとに2名のみで運転しているのだとか。
設計会社のプレゼンでは、大型の設備の建設実績が次々に紹介され、大型設備の新設のほとんどない現状の日本に比べると羨ましい限り。 技術は、建設実績により向上するはずなので、設計・建設の経験・ノウハウの蓄積は、中国の方が間違いなく多くなっているでしょう。 この頃の日本のエンジニアリング会社では、硫酸関連のページなど見つけるのが困難です。
機器も、「SO2ブロワーと触媒以外は中国製で問題ない」とのこと。 昔は、スタート1日目に壊れたエコノマイザー、5日で予備品も含め全部壊れた循環ポンプなど、全く信用できないものでしたが。

「復た呉下の阿蒙にあらず」という言葉を噛みしめました。
三国志、呉の呂蒙は武勇には優れていたが学問が無かった。 一念発起して勉強を始め、しばらくして旧知の魯粛に有った時、魯粛は、呂蒙の博識に驚いて、こういったのです。
「もう、昔呉の町で遊んでいたころの蒙君じゃないね!」

一方、単に「呉下の阿蒙」というと、いつまで経っても進歩の無い人を揶揄する言葉としても使えるのだとか。
経済不調で、新規投資はほとんど海外、新工場の建設もまれな日本。 いつの間にか、硫酸技術のエンジニアリングでは中国に追い越されているのではないのか? 「阿蒙」になっていることに気がついていないのでは? そんな不安を抱えて戻ってきました。
ギリシャ危機('12/5/10)
歴史的円高の元凶になったギリシャの混乱が再燃しています。
総選挙で、独仏を中心とするEUがまとめた、「財政に規律をもたらす政策」に反対し、「借金は返さない」といっている左派系の野党が第2党になり、今までの連立与党は過半数を割り込んで組閣ができない、かといって左派系もできない、だから再選挙になりそうだ、と。
まったく理解できません。
収入以上に買ったり旅行したりして、家が借金だらけになった。 金を貸してくれていた親類、友人が集まって、「今までの生活はできないから、切り詰めなさい」とねじ込まれたようなもの。
それを「嫌だ」というのは、要するに今まで通り金は借りたい、しかし浪費は続けたい、というまことに身勝手なもの。 こういう、ポピュリズムそのもののスローガンで票を集める方も法ですが、それに投票する国民の気がしれない。
でも、そういう人たちだから借金を増やしたんだ、とも言えます。 新聞解説に依れば、ギリシャって、雇用を維持するためにやたらと公務員が多い、しかも給料が高く、一度なると簡単には首にできないから、役人はいつの間にかリゾート地に別荘を建てたりするんだそうですね。
又、ギリシャ人は税金を払う気が無いらしく、上は大臣から下は町の労働者まで、脱税の大流行なんだとか。

なんでそういう人たちを、ユーロに受け入れたんだろう? 「ヨーロッパ統合」という大義の前に、目をつぶったと言いますが、これでは「ルールを守る」ことが国民性になっているドイツ人のには我慢ができないでしょう。

どんなに説得しても協議しても、何千年培われた国民性は変わらないはず。 最後は、ギリシャのユーロ離脱が無いとおさまらないのでは? その方が、通貨をドラスティックに切り下げられますから、ギリシャ経済の回復にはよろしいと思うのですけれど。

早くやってくれ! 日本がとばっちりを受けて円高が進むと、私の仕事にも影響する!
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