硫酸技術   by T.Ono
ちょっと一言−9
 
Flower of "Canon ball tree", Singapore
2014年-2:
大晦日('14/12/31)
いつの間にか、大みそか、1年の終わりです。
今年も色々なことが有りました。
中でも一番私が気になりましたのは、STAP細胞の顛末。
あれは1月、最初に報道された時、世の中は「礼賛一色」でしたが、私は「これ、本当だと、IPS細胞を研究している人たちが可愛そうだな」というのが第1印象でした。
だって、ノーベル賞をもらった山中教授以下、そのお弟子さんも含めて、現在の技術確立までには10年に渡る艱難辛苦が有ったという報道番組を見ていましたので。 その間には、無数の試行錯誤と失敗が積み重ねられたはずです。
それが、「弱酸性の液に細胞を浸すだけで万能性が得られる」というのです。 「そんなに簡単なら、今までの山中先生以下の苦労は何だったんだろう?」と。
しばらくして、数々の疑惑が明らかになるにつれ、「日本のトップにいるはずの研究機関が、お粗末だなあ」と。 こんなバカバカしい間違い、民間企業でやったら、即クビですよ。
段々と怪しくなるにつれ、腹が立ってきました。 先輩たちが気づきあげてきた、日本の科学技術についての信頼を、見事に壊してくれたからです。
しかし、この件は、起こるべくして起こったことなのかも。
全中国大使の丹羽宇一郎さんが著書で、日本の教育が中国を含む諸外国に比べて劣っていること、若い人たちに上昇意欲のないことに警鐘を鳴らしていらっしゃいました。
「No.1になれなくていい、オンリーワンであればいい」というのは、それはそれで美しいが「向上しよう」という意欲を無くしてしまう、だから間違いだ、と。
でも、この歌がはやったということは、共感した若者が多かったということでしょう。 仕事が遅くても、せれが原因で解雇されても「オンリーワンだからいい」と、自己満足してていいのか?
諸行無常、世界は変わっていきます。 来年も、中国は益々経済力を増大し、科学技術でも日本を凌駕しようとするでしょう。 かって、アメリカは、台頭する日本の技術力を過小評価して、家電、自動車で負けてしまいました。 今、日本人は、根拠のない自信を基に、「中国には絶対に負けない」との幻想を抱いているように思えます。
私の硫酸技術も、成熟技術ですが、気を付けていないと最新技術に取り残される。 来年も「一生勉強」 頑張りましょう、お互いに。

信用('14/10/31)
現役時代は、名刺が一種の「保証書」でした。
「OO会社の、△△部長」と書いてあれば、それだけである程度の信用が得られました。
個人事業を始めまして痛感しましたのは、「個人としての信用を得ることの難しさ」です。
それでも、現役時代からの客は一応話は聞いてもらえますし、私の言葉も信じてもらえます。
しかし、それは「技術者としての見解」の範囲であって、金銭的な補償を伴うときには、全く考慮されません。 確かに、2千万円の仕事、私が途中で逃げちゃったら、誰も跡始末をしてくれないじゃないか!
しかし、不思議なのは、同じ相手が、「株式会社になっていれば」信用してくれるんだそうです。 たとえ、個人であっても、です。
そういう会社相手には、知り合いの商社に窓口になってもらい、当方はくだんの商社から「コンサルタント料」をもらうというやり方をしています。
面倒なので、いっそのこと会社を設立しようか? と、勉強を始めました。
しかし、設立も、税務も、真に面倒です。 読み通して得た結論は「どんどん儲かるのであれば会社にした方が税金・経費処理の点で断然有利」というもの。 しかし、当方の年間の利益は、とてもその「税金上の損益分岐点」を超えそうにありません。
勿論、毎日フルタイムで働いて、どんどんと営業に回り、設立した会社の名刺を配ればもっと儲かるかもしれません。 でも、そんなことしたくない。
定年前の数年、ずっと心臓の痛みに悩まされていました。 3年も大学病院に通いましたが、「不整脈」以外は目立った異常はありませんでしたし、薬を飲んでも改善しないので、通うのをやめてしまいました。 
それが、定年になると、全く感じなくなりました!
自分では「気楽な人間」だなんて思っていましたが、それほど会社勤めのストレスはきつかったんですね。
なるほど、こんなに手間をかけて、しかも登記手続きだけに30万円もかけて、それでも会社を作ったということは、それなりの覚悟なんだ、と世の中は解釈するんだ! 世間は、だから「会社」を信用するのですね。
で、結論は? やっぱり、個人事業で続けるつもりです。 私の「技術」を信用してくれる方々を相手に、「半分ボランティア」で、従来通り。
皆さん、ご質問をどうぞ。
安全途上国・韓国('14/10/19)
また韓国で惨事です。 野外コンサート会場で、地下駐車場の排気口の蓋に多数の観客が乗り、その重みで蓋が壊れて観客たちは20m下の駐車場に堕ちたのだとか。  
しかしニュースで画像を見て、(工場で安全教育をしていた立場からは)正直唖然としました。 なぜ、簡単に人が登れる高さに排気口が有って、あんなに簡単な蓋がしてあるだけなのか? コンサート会場なんだから当然「人が登る」事は予想されたはずなのに、フェンスとか「人が上に乗れないようにする」処置は全く見当たりません。
韓国政府は「警備の不備が有ったのではないか」と調査すると言っていますが、そもそも、人間って「馬鹿なことをする」存在です。 だから、Fool-proof、人の間違いが深刻な事故に至らないように、設備やシステムで防止するーという安全上の思想が有るのです。
韓国では、今までも、デパートがある日突然崩壊したり、漢江大橋が落下したり、土木上の「手抜き」による惨事が有りました。 それらの時代からはずいぶん豊かになったはずですが、まだまだ安全に関しては「途上国」のようです。 「安全」より、「もうけ」が優先。
被害者には同情を禁じ得ませんが、現在のように、完了したはずの戦時賠償をしつこく求める、朝鮮日報の記事を引用しただけの産経新聞ソウル支局長を処罰しようとする、何でもとにかく「日本が悪い」とヒステリックに言い続ける政権に対しては、「人の悪口の前に、自分のことをきちんとやれよ」と言いたくなってしまいます。
ステレオタイプ('14/9/29)
近くの大学で、留学生支援活動に行ってまいりました。
前の日に成田空港に着いたばかりの留学生たちが区役所に赴き、転入届提出・国民健康保険の申請などをするのをサポートするのです。 昨年は日本語も英語もよく分からない中国人で苦労しましたが、今年は皆日本語がそれなりにできたので、楽でした。
窓口に書類を提出した後、待ち時間はヒマなので、学生たちと話をします。
一番多いのは中国、そのほかはタイ、インドネシア、アメリカ、ドイツ、オーストラリア、ガーナ・・・と、多彩、共通しているのは若くて元気なことと、日本への興味です。
「なんで日本で学ぼうと思ったの?」との質問には、それこそいろいろな答えが。
「アニメが大好きだから」
(故国の大学で)「国際関係の単位取得に必要だったから」
偶々イランからの学生がおり、テレビで阿部首相がロウハニ大統領と会見した、というニュース、我々がロウハニ大統領の名前を知っていることに驚いていました。
日本のことはずいぶん勉強しているようなので、「ダルビッシュ知っているか? 父親はイラン人だよ」と聞いてみましたが、「知らない」と。
隣りにいたアメリカの女の子に聞くと、これも「知らない」と。
「野球なんか見ない、そもそもスポーツに興味ないから」と。
それを聞いたボランティアの同僚、「そういえば、私が相手したブラジルからの留学生、『サッカーなんか興味ない、ワールドカップも知らない』といっていたよ」と。
へーえ。 若者の世間知らずなのか、我々の思い込みが問題なのか?
後刻、ドイツからの二人の女の子に「ドイツ人って親切だね」と、20年前の私のドイツ滞在時の経験をしゃべりますと、「人に依るんじゃない」という反応。
世の中変わっているのか? 「経験」が通用しなくなっているのかもしれませんね。
避けましょう、ステレオタイプの民族論。 ジュードーのできない日本人より。
ウイルス('14/8/29)
アフリカではエボラ出血熱で、感染者が急増しているんだとか。 何しろ、致死率90%という恐ろしい病気です。 1975年に最初の患者が発見され、今まで小規模の発生と早期の終焉を繰り返してきましたのに、今回はどうして又?
偶々、「コンピューターウイルス」について調べる必要が出てきまして、色々と資料を集めました。
ビックリ、コンピューターのウイルスは、生物学上の「本家」のウイルスにきわめてよく似ているのですね。
まず、生物学上のウイルス。 これ、「そもそも生物と言えるのか?」という議論が、今でも続いているんだとか。
「生物」とは、@エネルギー代謝を行う(食べ物を食べて自分を維持する) A自分の遺伝子を持つ子孫を作ることができる(種を維持する) 存在を言うのだそうですが、ウイルスはこの@ができません。 宿主の細胞に取り付いて、自分のDNA又はRNAを注入し、宿主細胞の遺伝子に自分のDNA又はRNAを複製させるーということ繰り返しているのです。
コンピューターウイルスも、それ自身では動かない、「プログラムの断片」だそうです。
それが、上手く宿主のPCに潜り込むと、PCのシステムほかのプログラムに寄生して、自分と同じウイルスを複製したり、元のプログラムが正規に動くのを妨げたりします。
でも、今一歩進んで考えますと、いますね、人間界にも「ウイルス人間」 「ウイルス企業」が。
自分で自分を食わせることができない人、補助金や政治家の保護のおかげで生きている企業。
年寄りだってそうだろうって? はあ、年金をもらって遊んでいるのは、ウイルス状態ですか? 若いころに、ちゃんとお年寄りを支えたはずなんですがねえ。 そんな後ろ指を指されたくはないので、いまだに仕事しているですよ、半分ボランティアでも。
中国の「常識」('14/8/5)
習近平氏は、共産党の最高幹部、政治局常務委員だった周永興氏を「重大な規律違反」、すなわち汚職の罪で逮捕したんだとか。
周氏は、元中国石油閥の総帥で、観光客が来るような大豪邸に住んで贅沢の限りを尽くしていたと言いますから、まあ色々と収賄はやっていたのでしょう。 でもね、それは建前。 本当のところは、近平さんの総書記就任を邪魔したらしいし、江沢民と強い関係が有ったとのことなので、まあ近平さんの報復と権力固めなんでしょう。
しかし、私が気になるのはその建前の部分。 「汚職」といいますが、権力を手にした人に付け届けをする、それをもらうことで、持ってきた人に便宜を図る・・・というのは、それこそ「中国4千年」の伝統、彼らに言わせれば「生活の必須」です。
中国の政治家、官僚が賄賂をもらい、便宜を図ることに全く罪悪感を持っていないらしいこと、むしろ家族、友人、党派の連中に便宜を図ることは「良いこと」「やるべきこと」らしいのは、史記を始めとする歴史書に堂々と描かれています。
卑近な例でも、昔私が中国で滞在するときに、日本のカレンダー(印刷とデザインが美しいので、大変喜ばれました)を持参して、通訳のおばさんに上げましたところ、しばらくして彼女の家を訪問したらなくなっていました。 聞けば「上司にプレゼントしました」と。
彼女の話では、常時上司に付け届けをしていないと、仕事や昇進のいろんな面で差別を受けるんだそうです。 いやはや。
だから、共産党幹部から一般庶民まで、「付け届け」はみんなやっているはず。 取り立てて騒ぐ事でもないはずですが、法律の建前では「違反」ですから、一番立件しやすいということなんでしょうね。
しかしまあ、習さんは、就任以来「法律を守れ」と、国内党内の引き締めに躍起ですが、一方、3百万人といわれるサイバー要員を使って、国内インターネット、ツイッターの記事を常時監視し、政府に都合の悪い投稿は即時削除するということもやっています。
我々から見れば、とんでもない主権の侵害ですが、口を開けば「中国の正義は、西側のそれと違う」といいます。
これも昔、上海造山製鉄所の仕事をしていて、中国の技術者と議論になり、余り無茶を言うので「あなたの主張は、世界の常識からずれていますよ」とたしなめましたところ、「日本人は1億人、我々は14億人、我々が(ずっと多いのだから)世界の常識です」と言い返されました。
そういう、非常識を常識と言い張る国が隣にあり、我々は逃げることができません。 貧乏だった昔は謙虚でしたが、今は大変傲慢になって(というか、本来の大国意識に戻って)誠に付き合いづらい。
そんな、世界に背を向けて、いつまでもやっていけると思っているのか? 思っているのかもしれませんね、何しろ土地も人口も、ヨーロッパの数倍有るんですから。
IT社会の陥穽 ('14/8/3)
昨年来、シニアの生涯学習プログラムに参加しています。 今年5月からは、幹事を引き受けましたので、学習室のある千葉大学へ頻繁に通っています。
最寄りの西千葉駅で降りると、いつも改札前のキオスクでお茶を買います。 普通の自動販売機は、買うものを選んでからSUICAをタッチしますが、ここは冷蔵庫を自分で開け、自分で取り出した商品をバーコードリーダーにかざしてからSUICAをタッチします。
いつも買う商品は同じなので領収書は「不要」としていたのですが、先日、何の気なしに「要」を押し、領収書を受け取りました。
ちらっと見ると、「3品購入 453円」と書いてあります。 おかしいな。
店番のおばさんに「これ、おかしいですよ。 1本しか買っていないのに、3本分金が引かれている」
とクレームをつけますと、おばさん、目を丸くして領収書を眺めていましたが「前の人が金を払わずに行っちゃったんでしょうかね」と。
結局、2本分の代金を払い戻してくれましたが、考えてみますと恐ろしいことです。
誰でも冷蔵庫は開けられる。 開けると、音楽が鳴るのですが、扉を閉じると止まる。 おばさんが不在の時にそっと持っていったのか? それなら、なぜ2本分の記録が残っているのか? バーコードは読ませたが、SUICAをタッチしなかったのか?
良くは分かりませんが、たかがお茶1本、一々レシートを受け取る人は少ないでしょう。 でも、知らないうちに、自分が買わないものまで金を払わされているのかも。
社会のあらゆるところにITが進出していて、昔は手間のかかった処理が大変早く済ませられるようになりました。 しかし、何事も、作用と反作用が有る。 良いことが有れば、それ相応の困ったことも起きる。 便利さだけに目をくらまされていると、いつかとんでもない損失をしていることに気が付くのかもしれません。
スマホは便利です、あらかじめ調べていかなくても、レストラン、電車の時刻、何でもその場でわかる。 でも、そのスマホがもしか嘘を言っていたとしたら? (14億人の情報統制をしている国もありますし)
原発事故の恐ろしさを私たちは知らされましたが、一方原発は、地球温暖化対策には最適なのです。
技術は、常に両刃の剣。 原発も自動販売機も、上手に使うことに心がけましょう。 
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