硫酸技術   by T.Ono
 設備新設−13
機器仕様決定:

その他のSO2原料(硫黄以外):


冷却塔・洗浄塔
ガス中の粉塵を湿式洗浄により除去するとともに、その過程でガスを冷却します。

これに使用される装置としては、空塔、充填塔、ジェットスクラバー、ピーポディースクラバーなどがあります。
材質的には高温部は耐酸煉瓦内張り、低温部はFRPとしますが、FRPでも構造を工夫して高温部に使用しているものもあるようです。
耐酸煉瓦張りの場合、目地が希硫酸に溶けてしまいますので、炭素鋼シェルと煉瓦の間にFRPフレークライニングを施します。 テフロンのシートライニングの方が持つのではという意見もありますが、私は実見しておりません。

充填物は、高温部では磁器製各種充填物、低温部ではPP製テラレットが使われています。
塔頂の液入り口はテフロン製のスプレーノズルを使用します。

空塔の場合、気液接触が悪く、直径が大きくなるにつれその傾向が増しますので、精錬ガスのようにガス量の大きい場合はお勧めできません。

それぞれ、別置きのFRP製ポンプタンクを持つか、あるいは塔の下部をポンプタンクとして使用したりしています。

MECS社は、DynaWaveという集塵装置を販売しています。 これは、垂直の細いスクラバーの下から吸収液を、上からガスを供給し、ごく狭い領域で激しい気液接触を実現するもので、小さなスペースで高度の集塵ができると謳っています。

一方、Outotec社は、独自設計のクエンチャー、ベンチュリースクラバー、ミストキャッチャーの組み合わせを推奨しています。

循環液クーラー
冷却塔、洗浄塔の循環液のクーラーです。
循環液には、希硫酸とSO2のほかにもハロゲンその他の不純物が多く、固形分もありますので、耐食性と掃除のしやすさから不浸透黒鉛製のシェル/チューブタイプが最適です。
循環液が希硫酸とSO2だけであればハステロイーC製のプレートクーラーも使用可能ですが、この場合は事前に耐食テストの実施をお勧めします。
循環液ポンプ
冷却塔、洗浄塔の循環液用のポンプです。
液中に固形物もありますが、テフロンライニングマグネットポンプが最適と思われます。 メーカーの話ではスラリー濃度35%程度までの使用実績があるそうです。
酸ポンプ」で述べましたように、ミニマムフローの確保を忘れないようにしてください。

ガスクーラー
名前の通り、洗浄塔出口のガスの温度をさらに下げ、ガス中のH2O量を下げるための熱交換器です。

不浸透黒鉛製のシェル・チューブタイプとします。

クーラーは垂直に設置し、凝縮した水滴の再飛散を防ぐため、ガスは上から下に管内を流れるようにします。
チラー
硫黄燃焼式以外のガス精製設備を持つ硫酸設備においては、乾燥塔入口のガスの温度が重要です。
といいますのは、乾燥塔入口のガスに含まれるH2Oは乾燥塔で吸収されて、最終的には製品濃硫酸に含まれることになります。 ですから、この温度が高すぎますと、ガス中のH2Oの量が多くなりすぎ、製品濃硫酸のH2SO4濃度が規定(98.0%以上)に維持することが不可能になってしまうからです。

つまり、乾燥塔入口ガス中H2O = w1、ミストコットレル等で入ってくる空気中のH2O = W2、製品硫酸中のH2O = w3としますと、

  w1 + w2 < w3

でなくてはいけません。
できれば 

   w1 + w2 = w3の60%以下

が望ましいのです。 (足りない分は、吸収塔での濃度調整用希釈水で補給するため)

よって、循環液クーラーなりガスクーラーなりでプロセスガスを冷却してガスの温度を下げればよいのですが、この冷却が冷却水による冷却では達成が困難な場合(例えば、ガス温度<冷却水温度)、チラーによりブラインを冷却して各クーラーを冷やす必要があります。

チラーの形式は何でも構いませんが、空冷式の方が水冷式より安価です。 ただし、空気中に粉塵が多い場合、空冷式はトラブルを起こす可能性があります。

設備新設−14
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