硫酸技術   by T.Ono
 設備新設−14
機器仕様決定:

その他のSO2原料(硫黄以外):


ミストコットレル
洗浄塔などを出たガス中には、気体のH2O以外にミスト状の水の飛沫が同伴しています。
サブミクロンサイズのミストは、乾燥塔では吸収除去できませんので、これ以降のSO2ブロワーや転化器系にて腐食・閉塞をはじめとするさまざまなトラブルの原因になります。
よって、このサブミクロンサイズのミストを除去するために、乾燥塔の前にミストコットレル(湿式電気集塵機)を設置します。

ミストコットレルは、線状の放電極と、板状又は円筒状、角筒状の集塵極の間に直流の高電圧(〜50KV)を掛けることにより放電極の周りの粒子を荷電させ、集塵極に集めるという原理です。

材質としては日本ではケーシングはFRP、放電極はSUS、集塵極は導電性FRPが一般的です。
ケーシングをステンレス鋼にし、かつ集塵極を円筒状にすると、ケーシングと集塵極を工場で組み立てて持っていけますので、現地建設期間を短くすることが可能です。

放電極は磁器製碍子により吊り下げられており、この碍子が濡れて絶縁破壊を起こさないように、加熱空気を常時碍子周りに導入します。

電極が汚れますとスパークやそれに伴う電極の破損が生じますので、定期的に電極を洗浄する水スプレーを備えています。

50%ずつの能力を有する2室とし、点検などで一方を荷電停止する際はもう一方にガス全量を通して、運転を継続しますが、停止期間が短いと予測されるときは1室のみとすることもあります。
SO2(ガス)ブロワー
硫黄燃焼式とは異なり、乾燥塔出口にプロセスガスを送風するSO2ブロワーを設けます。
近年の大型設備では、設備をコンパクトに設計するため風圧が上がる傾向にあり、60KPaになる例もあります。

多段のターボブロワーで、材質としてはインペラーはSUS316や高ニッケル合金、、ケーシングはSUS316又は鋳鉄とします。 (近年は大型のブロワーでは、鋳鉄によるケーシングの製作は国内では困難のようです)

軸受からのSO2の漏洩を防ぐため、ABCシールのような漏洩の少ない軸受を使用するとともに、乾燥空気や乾燥N2などを軸受に供給し、内部のガスより高い圧力をかけておきます。

乾燥塔からのガス中に、硫酸飛沫の多いときはドレンとなって出てきますので、各段ごとにドレン抜きの配管がつけられています。

硫黄燃焼式のエアーブロワーと同様に、蒸気が副生する設備であればスチームタービンで駆動されることもあります。 又、電動機のスタートについての注意も同様ですので、エアーブロワーの項を参照してください。
ガス熱交
転化器回りのガス熱交換器は、基本構造や目的は硫黄燃焼式と同じです。
硫黄燃焼式のガス熱交
ただ、SO2ブロワーからのガスをまず最初に受ける(第1)熱交のシェル側は、乾燥塔からの硫酸飛沫によるスケーリングや閉塞が起こりやすいので、伝熱面積に余裕を持っておくべきです。 又、チューブ材質はステンレスにしておくべきです。 このガス入口部のみを交換可能な構造の熱交換器を使用する例もあります。
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