硫酸技術   by T.Ono
 硫酸概論−3
 
種類と規格
「硫酸」には、

単なる「硫酸」(工業用硫酸)と、試薬用硫酸、食品添加物用硫酸があり、それぞれ規格を有していますが、このサイトで論じているのは工業用硫酸です。

工業用硫酸には

1.濃硫酸
2.希硫酸
3.発煙硫酸
4.精製硫酸
5.半導体用高純度硫酸

などがあります。

1.濃硫酸
規格の上では、「濃硫酸」とはH2SO4 = 90%以上のものを言います。
もっとも多く流通しているのは98%H2SO4(実際には98.3%〜98.5%)ですが、冬季は凍結を防ぐために95%にして取引されています。
規格における項目は表示硫酸分、強熱残分、Feしかないため、品質はまちまちです。 白濁したもの、真っ黒なものさえあります。
汚れたものは肥料用などに使われます。
硫黄が原料のものは総じて純度が高く、不純物が少ないため、精製硫酸として販売が可能なものさえあります。
2.希硫酸
現在は直接希硫酸を生産する硝酸式がないため、濃硫酸を希釈して生産します。 62.5%、70%、75%などがあります。
これらは、濃硫酸の希釈設備を持たないユーザーのために、メーカーがサービスとして希釈するものです。
3.発煙硫酸
濃硫酸に更にSO3を吸収させたもので、遊離SO3 = 22%、25%、28%があります。
酸化作用が強いので、スルフォン化などの化学反応原料として使用されます。
4.精製硫酸
製造設備としてグラスライニングやパイレックスガラスなどを使用し、製品中へのFe分の混入を防いで不純物を減らしたもので、蓄電池用その他の特殊な用途に使用されます。 濃硫酸として製造されますが、希釈して精製希硫酸として販売されているものもあります。
5.半導体用高純度硫酸
接液部をすべてテフロンとして、製品中の不純物を極限まで抑えたもので、特に高純度を要求する(不純物はppb、pptレベル)半導体、液晶などの電子材料の製造に使用されています。
年々集積度が上がるにつれ、より高純度のものが要求されてきています。
工業用硫酸の規格としては、上記1.〜4.について

  JIS K1321 硫酸 及び
  硫酸協会の定めた「硫酸協会規格」
があります。

ただし、5.については公的規格はありません。 メーカーごとに独自の企画を適用しているようです。

それぞれの製造方法については、「各種硫酸製造法」を参照ください。
用途
硫酸の用途は多岐にわたり、ほとんどあらゆる工業製品の製造に関与しているといっても差し支えありません。
これは、硫酸の下記の特徴によるものです。

1.もっとも安価な酸である
2.安定していて、長期に保存しても変質しない
3.反応に際し、硝酸や塩酸のごとく有害なガスを発生しない

その中でもおもなものは
1)肥料用(過リン酸石灰、燐酸)
2)合成繊維用(ナイロン、ビニロン、アクリル、ETC.)
3)製鉄用(酸洗浄)
4)金属精錬(電解液、その他)
5)合成洗剤(スルフォン化剤)
6)合成染料(同上)
7)酸化チタン
8)無機薬品(弗酸、クロルスルフォン酸、ETC.)
9)火薬
10)合成樹脂(ポリウレタンアクリル、etc.)
11)石油精製
12)その他
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