硫酸技術   by T.Ono
 硫酸概論-5
 
統計
日本と世界の現況
2011年において、硫酸の生産量は

世界 ・・・ 191百万トン
日本 ・・・ 6.3百万トン(3.3%)

原料の構成と用途はかなり違います。 2011年の例で示しますと

     世界 日本 
原料   硫黄   59% 22% 
  パイライト   10% 0% 
  精錬ガス   31% 75% 
  その他  0% 3% 
用途 肥料   50% 11% 
  工業用  50% 89%

日本は精錬ガスからの生産が最も多いのに比べて、世界では硫黄原料が6割近くを占めています。
精錬ガスが銅や亜鉛などの非鉄金属の精錬時の副産物であるのに対して、硫黄原料の硫酸は、「原料を購入して生産」するものであり、日本ではどちらかというと自社の化学製品の原料確保の目的です。 これが減っているということは、日本の不況を表しているものと言えます。

21世紀に入ってからの国内の大型硫酸設備の新設はわずかに2件のみであり、硫酸技術の進展という意味からも、日本は停滞気味と言わざるを得ません。

一方海外では、例えばサウジアラビアのMa'aden Phosphate Co.のように、石油からの回収硫黄の処理のために、またはGoro Nickel S.A.S.(ニューカレドニア)のようにニッケルの湿式精錬用に大量の硫酸が必要であるがゆえに、いずれも4,500T/Dクラスの大型設備の建設が相次ぎ、中国でも新設が続いています。

近年、原料となる銅やニッケルの鉱石の品位が低下しています。 ある海外の鉱山では、採掘されている銅鉱の合格品位は、十数年前までは0.75%以上でしたが現在は0.35%以上とのことです。 又、硫化鉱ではなく酸化鉱の比率も高まっているのだとか。 それ故、従来の焙焼炉による精錬ではなく硫酸を多量に使用する湿式精錬の比率が高まっているのだそうです。
そうしますと、今後は「非鉄金属精錬が増えると硫酸も増える」という常識が必ずしも通らなくなくなりますね。
世界の硫酸用途:

    
    "The Essentail Chemical Industry Online"による。 リン酸肥料がダントツです。

硫酸消費国:
    
    "Chemical Economics Handbook"による。 中国がほぼ1/3.
    2014~2019の硫酸消費量の平均増加率は世界で2.0%とのこと。
    


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