by T.Ono
 製造プロセス-2
硫黄燃焼式:

硫黄燃焼-1
添付の図面「PFD-1」を参照ください。
これは、

 ・溶融硫黄原料
 ・シングルコンタクト であって
 ・できるだけコストを抑える(エネルギー回収は余り必要ない)

場合の例です。

溶融硫黄は、ポンプで硫黄燃焼炉に供給されます。
燃焼用空気は、乾燥塔で93〜95%H2SO4と接触することによりガス中のH2Oを除去したのち、硫黄燃焼炉に送られます。
このフローではブロワーは乾燥塔の前に設置されています。 この方がブロワーの材質として炭素鋼が使用できますので、設備費は下がります。
燃焼炉では硫黄が燃焼し、SO2(10.5 - 12%)となります。 この時、燃焼熱でガス温度は1,050℃〜1,200℃となります。

 S(c) + O2(g) → SO2(g) + 301.89kJ/mol

同時に、炉内では微量ですがSO3やNO/NO2の副生も起ると言われています。

この高温のガスは、排熱ボイラにて冷却され、同時に熱が蒸気の形で回収されます。

転化器入口温度を、触媒の働きが最適と言われる430℃前後(通常のバナジウム触媒場合)にするため、排熱ボイラのバイパス弁開度を調整してコントロールします。

転化器は3〜5段、通常4段の触媒層を持っています。 ここでSO2がSO3に酸化され、酸化熱により各層出口温度が上昇しますので、次の層に入る前に430℃またはそれ以下に冷却しないといけません。

 SO2(g) + 1/2O2(g) → SO3(g) + 98.87kJ/mol

設備費を下げるため、温度の低い乾燥空気を転化に触媒層に吹き込み、入口温度を下げます。 これは(4層の場合)1層出口と3層出口に入れることが多いです。 空気吹込みにより、この部分のガス熱交やボイラなどは不要となり建設コストの削減が図れます。
更に余剰の熱は、ガスクーラーにより空気で間接冷却、除去します。

このプロセスはシングルコンタクト故最終転化率は96〜97%ですが、セシウム強化触媒などを使用することにより、条件によっては99%とすることも可能とのことです。

転化器からのガスは吸収塔にてガス中のSO3を98〜98.5%H2SO4にて吸収し、濃度の上がった循環酸を水で希釈することにより製品濃硫酸を得ます。

 SO3 + nH2SO4・H2O → (n + 1)H2SO4

まとめると

 SO3(g) + H2O(l) → H2SO4(l) + 132.46kJ/mol

吸収塔循環硫酸の一部が、製品として系外に取り出されます。
このフローには示していませんが、冬季は製品硫酸濃度を95%に希釈するための希釈設備、及び製品クーラーがこの後に付属しています。

吸収塔からの排ガスは、排気除害塔によりガス中のSOxが吸収除去されます。 除害塔には様々なタイプがありますが、アルカリ吸収が一般的です。 
フローには示されていませんが、排気の白煙対策としてミストコットレル(湿式電気集塵機))を設置する場合があります。

この他、フローには省略していますが、転化器にはスタート時昇温用の予熱炉が付属している場合が多いものです。

ちなみに、硫黄燃焼炉の予熱は、炉に予熱用の重油(or, LPG)バーナーを付属して直接加熱により行います。
硫黄燃焼-2:
PFD-2を参照ください。
これは

 ・溶融硫黄原料
 ・DC/DA(二重接触二重吸収法) であって
 ・エネルギー回収増を目的とする

場合です。
前述のPFD-1と比較してください。

空気ブロワーは乾燥塔の後に設置し、空気の圧縮熱が燃焼ガスに与えられ、回収できるようにしています。
転化器のSO2酸化熱は、一部は中間吸収塔からの戻りSO2ガスの昇温に使われていますが、ボイラへの給水の予熱に使用されています。 また、過熱蒸気を作り、これで空気ブロワーを駆動しています。

中間吸収塔でのSO3吸収熱の回収には、循環酸の冷却にHRS塔を設置し、中低圧蒸気の回収を図っています。→前頁を参照
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