硫酸技術   by T.Ono
 製造プロセス−3
具体例:

冶金式プロセス:
添付のPFD-3を参照ください。
これは、硫化鉄鉱や銅、亜鉛、ニッケル精鉱(いずれも硫化物)を原料とする「冶金式」のプロセスを描いています。
脱硫回収硫黄、脱硫回収H2Sガスなどを原料とする場合も、基本的には同様です。
先述のプロセス-2と同様、
・DC/DA法
・エネルギー回収増加を目標とする

ものです。

ここには詳しく記載されていませんが、「乾式ガス精製」には、サイクロン及び乾式電気集塵機(ホットコットレル)が、「湿式ガス精製」の部分には各種のスクラバーや湿式電気集塵機(ミストコットレル)が含まれています。 
この部分では、焙焼炉からのガス中の粉塵を除去し、クリーンなSO2ガスを得ることが目的です。 原料中にヒ素や水銀、ハロゲンと言った物質が含まれるときは、それぞれ専用の除去設備を設置します。
湿式スクラバーとしては色々なものがありますが、MECS社はDynaWaveに力を入れています。

クリーンになったガスは乾燥塔に入り、ガス中のH2Oを吸収除去します。
乾燥塔入口から空気を吸引させ、転化器入口のO2/SO2比 = 〜1.2とします。

これ以降は基本的には前述の硫黄燃焼式と変わりませんが、ガスが精製系や乾燥塔を通るため、その温度は40℃ほどにまで低下しており、これを転化器にて触媒反応を起こすのに最適な〜430℃(通常触媒の場合)まで昇温するため、転化器でのSO2酸化熱を利用します。 具体的には、各層からの出口ガスと熱交換させることで昇温します。

この後の吸収塔や除害塔は硫黄燃焼式と同じです。

従来の方式の場合、硫黄燃焼式に比べて転化器入口でのSO2濃度が低くなりがちです。 それ故、最近の冶金式の炉には燃焼空気に酸素を混ぜる酸素付加空気を使用することにより未反応N2成分の増加を抑えて、SO2濃度を上げ、かつガス量が増えないようにしているものが増えています。 転化器入口SO2濃度があまりに高いと触媒層での温度上昇が過大になるため、第3層出口のガスを第1層入り口に循環させ、SO2=14〜20%程度に下げるという例もあります。(OUTOTEC社 Lurec法)

従来の方式やCOGからのサワーガスの場合など、SO2濃度があまりに低いと転化器での酸化熱で入ってくるガスを昇温することができません。 この場合は、連続して外部から熱を補充してやる必要があります。

この、熱バランスが取れるかどうかは、以下の式で判断できます。

ブロワー出口(第1熱交換器シェル側入口)ガス顕熱 = Q1
吸収塔入口(第1熱交換器チューブ側出口)ガス熱量 = Q2
転化器におけるSO2→SO3酸化熱 = Q3

において

 Q1 + Q3 > Q2

であれば熱バランスは取れます。 ただし、転化器系の機器表面からの熱ロスがありますので、実際には

 (Q1 + Q3)*0.9 > Q2

としておけば安全です。
その他の原料:
 
 クリーン排煙脱硫ガス
PFD-4を参照ください。
これは、ウェルマン・ロード法のような排煙脱硫設備から回収される、高濃度で高純度(ただし、水蒸気飽和)のSO2ガスです。
ガス精製の必要がありませんので、ガスは直接乾燥塔でH2Oを除去した後、転化器へ送られます。 通常SO2濃度が高い為、空気で希釈したり高濃度用触媒を使用したりする必要があります。
吸収塔の排気は、排煙脱硫ガスに戻されますので、必ずしも高い転化率は必要ではありません。
 ダーティーガス-1(脱硫硫黄廃液、廃硫酸、含H2Sガスなど)
PFD-5を参照ください。
これらの原料は、まず燃焼してSO2を発生させる必要があります。
当然燃焼熱が発生しますので、排熱ボイラを設けて蒸気の形で熱回収をします。
その後、ガス精製装置にてガスを冷却しかつガス中の粉塵を除去します。 乾燥塔以降はPFD-4と同じですが、排気は除害塔で処理したのち大気放出します。
通常、SO2濃度は低い為、プロセスガス中のH2Oを減らす対策が必要です。
 ダーティーガス-2(ダストを含む排煙脱硫ガス)
PFD-6を参照ください。
これは、活性コークス法のように、回収SO2ガス中に粉塵を含むもので、燃焼炉は不要ですがガス精製装置は必要です。 燃焼炉が無い以外は「ダーティーガス-1」と同じ装置配列です。
ただし、このガスの場合はSO2濃度が高い為、むしろ空気による希釈が必要になります。
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