硫酸技術   by T.Ono
 関連技術-1

Waste gas DeSOx scrubber
筆者の担当した、硫酸プラント以外の設計建設実績について。
排煙脱硫
脱H2S(コークス炉ガス処理)
排煙脱硝
排水処理
石膏ボード

脱臭
肥料
1.排煙脱硫(DeSOx)

  1)筆者の経験:
排煙脱硫は、活性コークス法や石灰石膏法その他、ガス量やSOx濃度に応じて多種多様な技術がありますが、私が実際に設計建設したものは、硫酸設備の排気処理用以外では中小規模のボイラ排気に適したものでした。

スクラバーの形式はいろいろありますが、筆者の経験したものとしては
1)サイクロンスクラバー
2)充填塔

でした。
充填塔は説明は不要と思いますが、サイクロンスクラバーは、スクラバーの下部壁からガスを接線流に導入し、塔内で旋回させながら、吸収液をスクラバー中心に立てた分酸管に取り付けた多数のスプレーノズルから噴出させ、ガスと微細な液滴を旋回流中で接触させることによりSOxを吸収する方式です。
空塔速度を充填式の5倍程度にできますし、充填物がないので安価かつ閉塞の心配がないなど性能の良い方式です。
ガス量が大きくなると、ガスの旋回効果が薄れますので特長が発揮しづらくなります。 50万M3/hr程度が限度でしょうか。

SOxの吸収材としては、水酸化マグネシウムや苛性ソーダを使用しました。
水酸化マグネシウムは、SOxを吸収して亜硫酸塩や硫酸塩となりますが、この液を空気酸化して硫酸マグネシウムとします。
硫酸マグネシウムは海水中に多量に存在し、無害の物質なので原理的にはそのまま外部に排出が可能なはずですが、吸収液中にはダストが含まれますし液温も高いので、通常一旦は排水処理設備を通して処理したのちに他の排水と共に排出されます。

水酸化マグネシウムの使用で注意が必要なのは、PHを上げると吸収率は増加しますが、循環液が結晶化・固結する恐れがあることです。 故に、PH=6.0以下で操業する必要があります。
一方、苛性ソーダを吸収剤としますと、燃焼ガスの場合、CO2を吸収して重炭酸ソーダができますので、析出しない濃度以下に循環液濃度を維持する必要があります。(NaHCO3の30℃における溶解度=9.96%)

こういう中小規模の排煙脱硫の仕事は、国内では中小企業が手掛けている例が多く、他社と競合しますとプラントコストの面で受注は中々厳しいものがありました。

上の写真は、国内の硫酸工場排気用のサイクロンスクラバーです。

海外では、マレーシアの顧客が運転ミスで未吸収のSO3ガスを排出してしまう事故を起こしたことがあり、国際電話で呼びつけられ、排気対策として緊急に排気吸収スクラバーを設計して同国の環境庁宛てに資料を提出したことがありました。
このスクラバーは、1年後実際に現地に建設され、現在も運転中です。
  2)硫酸設備との関連:
硫酸設備自身が少量とはいえSOxを排出しますので、吸収塔からのテール・ガスには脱硫設備が不可欠です。

これとは別に、ボイラ排気などの大量のガスから回収されたSOxは、高濃度のSO2ガスとして硫酸原料に使用されます。
例えば、ウェルマン・ロード法ではアルカリ吸収液を加熱してSO2を追い出した後、SOx吸収塔へ液を戻しますが、追い出されたSO2は40〜50%の高濃度であり、かつ非常にクリーンなものなので、空気で希釈して乾燥塔で水分を除去した後すぐに転化器へ送ります。
又、活性コークス法では吸着剤の活性コークスに吸着されたSO2は、高温空気で脱着されて硫酸設備に送られますが、これはコークスの粉塵を含むため転化器の前にガス精製装置を通過させる必要があります。
わたしは、国内でこの活性コークス回収SO2原料硫酸設備の設計経験がありますが、客先の敷地が大変小さく、プラントの各機器を4階建てに立体的に配置するという初めての経験をしました。
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