硫酸技術   by T.Ono
 安全-2
 
硫黄
1.法的規制
消防法:
硫黄は、消防法上の危険物第2類です。 指定数量は100kgですので、これを超える量の硫黄を貯蔵・運搬・取り扱う場合には消防法に規定する設備にて実施する必要があります。
また、操業現場には「危険物取扱者」(甲種または乙種第2類)の資格を有する作業員を配置する必要がありますし、その他法令に規定する掲示が必要です。
硫黄タンクの設置基準その他については、
危険物行政研究会著、東京消防庁監修「図解 危険物施設基準の早わかり
が最適です。 アマゾン、紀伊国屋その他でネット購入が可能です。
2.設備上の注意
硫黄は、着火しやすく、燃焼により有毒なSO2ガスを発生します。 又、溶融状態に保つために蒸気にて130〜150℃に保たれていますので、火傷にも注意しましょう。

貯蔵タンクやポンプ、配管等の構造につきましては、「設備新設-3」の「硫黄タンク」その他を参照ください。
硫黄は、室温では容易に固化しますので、漏洩しても安全上の問題を生じることは少ないものです。 しかし、容易に着火しますので、着火源からは常に遠ざけること、万が一着火した場合は速やかに消火に努めることが大切です。
硫黄タンク内の火災の場合は、まず蒸気を吹き込みます。 それでも消火の兆しの無い場合は、水を注入します。 通常、タンク壁や天井内部の硫黄にも着火していますので、SO2の発生が完全に止まるまでは消火活動を続けましょう。
3.作業時の注意
溶融硫黄は硫化水素臭がしますが、通常は防毒マスクが必要なレベルではありません。
ただ、硫化水素は、濃度が高くなるとかえって嗅覚に感じなくなるため、危険です。 硫黄タンクの周りでは、必要に応じて硫化水素濃度の測定を実施しましょう。 この測定は、検知管による方法が簡単かつ迅速ですので、検知管及び測定用のポンプは、現場に常備しておきましょう。
検知管メーカーとしては
光明理化学工業(株)
(株)ガステック
などがあります。

溶融硫黄が少量皮膚に付着しても、よほど皮膚の弱い人以外は火傷を起こす心配はありませんが、多量に被ると危険ですので、ヘルメット以外に保護メガネや手袋(革製が望ましい)を着用し、肌を露出させないようにしましょう。
又、タンクや配管からの液抜きは十分に実施し、抜いた後も「もし充満していた場合はどうなるか」という心構えの下で、作業する顔や手、体の位置に気を付けておきましょう。
4.受傷時対策
硫化水素の中毒は、生命の危険がありますので、風通しの良いところに受傷者を移動し、出来るだけ早く医師の診察を受けさせましょう。
火傷の場合は、一般の火傷と同じく、「できるだけ早く冷やす」ことが重要です。 これは水でも十分です。
ガス
1.危険と発見
硫酸設備では、SO2やSO3といった有害成分を含んだガスが設備を流れており、漏洩事故によりこれらの成分を吸引しますと呼吸器障害や、重症の場合窒息死に至ることもあります。
設備の運転中にガス漏れ事故の発生した場合、転化器以降であればガス中のSO3が空気中のH2Oと反応して濃い硫酸の白煙を生じますので漏洩元の発見は容易ですが、それより前のボイラや硫黄燃焼炉周りではSO2のみであり、漏れ箇所の発見は困難です。
この目的で、アンモニア水を常備しておくことをお勧めします。
アンモニア水をボロに浸して漏洩が疑われる個所の近傍に近づけますと、漏洩があれば、ガス中のSO2とNH3が反応して亜硫酸アンモンの白煙が生じますので、目視発見が可能になります。
アンモニア水を、ポリの水差しに入れて、漏洩が疑われる個所の近傍に振り掛けてみてもいいでしょう。
2.作業時の注意
必ず活性炭などの吸着剤を詰めた防毒マスクを着用して作業しましょう。
メーカーとしては、
(株)重松製作所
が有名です。
3.受傷時対策
風通しの良いところに受傷者を移動し、できるだけ速やかに医師の治療を受けさせましょう。
稀に受傷後時間が経ってから肺水腫を生じることがありますので、呼吸器に以上のある人は作業に当たらせないことも必要です。
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